登場人物
保坂さんの小説は、周期的に読む。
ものすごく頭に入ってきて感動するときと
全く読めないときがある。
今はたまたま、読みたい周期が巡ってきている。
「自分が死んでも世界はある」
ということをあの手この手で書いてある。
「こことよそ」という短編の中で(短編集です)
保坂さんが映画仲間だった人のお別れの会に参加する。
その人は暴走族のアタマだった人で
暴走族の映画をキッカケに
映画の世界に入って、保坂さんに出会った。
お別れの会で
今はもういないその人のかけらが世界には残っていて
そういうふうに
自分が死んでも世界はある
というかんじなのだ。
いま、CBを愛していた義兄はいないけど
たしかに義兄の生きた世界だし
スティーブくんに名前をもらったスティーブ・マックィーンの
生きた世界でもある。
私が死んでも世界はある
私はこの世界の登場人物である