サーキットデビュー
昨年の秋に、サーキットを走るという体験をさせていただいた。
クルマ屋さんとバイク屋さんと板金屋さんが、イベントを開催されて、サーキット未経験者も走ることができた。
要するに貸切だ。
そんなことは、滅多にない。
それはそれは素晴らしい体験だった。
雨が降っていたため、制限されることはあったけれど、いつも友達たちがカッコイイ走りを魅せてくれる、その場所を走れたのだ。
友達たちの技術や感性が、どんなに凄いものなのか、自分が走ってみてよーくわかった。いわんや、ロッシ・マルケスをや。
雨の中、カッパを着て、ぐるぐるとペースメーカーの友達の後ろを走った。
さっきよりも早く。さっきよりも美しく。さっきよりもスムーズに。
ぐるぐる、ぐるぐる。
楽しい時間が終わり、みんなはバイクを降りて、それぞれの車に乗せて帰る。
私は自走でサーキットに行き、自走で帰った。
途中、まさかのガス欠で停車した。
そんなに走っていたのか。
リザーブタンクに切り替えていたら、友達が通りかかり、止まってくれた。
相当恥ずかしかった。
でも、ありがたかったな。
あの日のことは全部、ありがたかった。