新しい古着
いつも穴の空いたウィンドブレーカを着ているので
ライダー仲間が
「着るものないが？」
と聞いてくれた。
プロテクター入りのメッシュジャケットは、
前回コケた時に破れてそのままにしてある。
その旨をお伝えしたところ
「ほぼ新品の古いジャケットあるけど、いる？」
と、聞いてくれた。
いただきもので成り立っている私のバイクライフだ。
ありがたく頂戴するに決まってる。
ちょっと待っててと
家まで取りに戻ってくださり、
ありがたく受け取った。
そして彼のいつも着ているのと酷似していることに気付く。
彼の着ているのは色褪せている。
サイズはＬだ。
私がいただいたのはＳサイズ。
ははーん。
かれこれ25年程前に
元カノとお揃いで購入したものだろう。
２人は別れ、着てはもらえぬＳサイズが残った。
ふふふ。
そうですね？と
推理を披露したら、ニコニコとして否定しない。
誰しもがいろいろな物語を生きている。
その物語を背負って、私がいただいていいのか？
エンドマークから始まるって、小説があったような。
と、妄想していたら、
「タンスのゴミやからなぁ」
はー。ありがたく頂戴します。
