恋
地元の民謡の祭りを盛り上げる、女性の団体に参加させていただいている。
その指導をしてくださっていた先生は、鬼籍のひとだが素敵な方だった。
日舞の先生だから、それは立ち姿が美しくて
所作がなめらかで魅了された。
その先生が「恋」を奨励されていた。
どろどろの不倫の奨励ではなく、
ときめくことや、おしゃれする心なんかを奨励されていた。
もっぱら私の「恋」の相手はスティーブくんで
彼をうっとりと眺めて、エンジンの音や振動で恍惚とし
彼と旅するための体力づくりなら、がんばれる。
そんな私だけど
先日からの非常事態で、とても力になってくださった
独身中高年男子に、ちょっとときめいた。
外見は全くタイプではない
しかし、問題にたいする的確なアドバイスや
建設的な考え方やなんかに、しびれた。
わたしは自分が馬鹿なので、知性と教養のあふれる謙虚な男性に
あこがれる傾向にあるのだ。
相談にのってもらっている件が、少し一段落したとき
初めて雑談をした。
すると極めてオタクな人であることがわかり
少しひいた。
それから食べる事に無頓着な人だとわかり
どんびきした。
粗食でも、丁寧な食事をしたいので
ごはんを一緒に食べる事はないなと思った。
勝手に恋して、失った。
考えてみると、バイク仲間とはB級とはいえ
食事を楽しんでいるし、
五感で感じるすべてを共に味わい楽しんでいる。
彼等とは
恋には落ちないが、同じ恋をしているのかな。