雨宿り
日曜日のツーリングは、雨に降られた。
木曽方面を走行中だった。
突然、雷鳴が響き稲妻が走り、土砂降りの雨だ。
レインウェアを着る間も無く
ブーツの中まで雨が入り込む。
視界は降る雨とアスファルトの上を跳ねあがる雨が
相まって真っ白だ。
先頭を走るヤマハが
通りを入ったところの校舎の軒下に
誘導してくれた。
スティーブくんと私も軒下に駐車して
ヘルメットを脱ぐ。
雨雲レーダーをチェックして
ルートを変更する検討だ。
ホンダと私は雨の降る様を楽しむ。
山あいの町の、小さな空を見上げて
ヒノキの人工林から立ち昇る雲の速い動きを追い
小さな空の片隅に青空を見つけて歓声をあげた。
話し声が聞こえないほどの雨音も
焦る私たちをいさめ、諦めを与え
火照った身体を充分冷やしてくれた。
友達の吸う煙草の香りがして
なんだか雨宿りも良いもんだなぁと思った。