スティーブくんと一緒

スティーブくん(バイクの愛称)とイチャイチャする毎日の記録なのにゃー

痩せ我慢

21歳頃、告白するも、

またしても「付き合っとるひと、おるから。」

と、バッサリ振られて、傷心の旅に出た。

ソロで郡上八幡を目指した。

当時はまだ、東海北陸自動車道のとの字もなく

ひたすら国道156号線を南下した。

街を散策する気持ちになれず、

お城へ曲がる交差点で方向転換して帰路についた。

途中、ポツポツ雨が落ちてきて

とうとうザーザー降りになった。

心身ともに凍えて

最寄りの食堂で雨宿りすることにした。

中には、同じく雨宿り中のライダーがたくさんいた。

女のソロは珍しかったので、視線を浴びた。

びしょ濡れで、心細く、トイレに行きたいのに

自意識過剰でなかなか行けなかった。

そして、注文をとりにきたおばちゃんに

おろし蕎麦が何かを知らずに

おろし蕎麦を頼んでしまった。

尿意を我慢できず、覚悟を決めてトイレに行き

戻ってきたら

冷たい蕎麦が「おまたせしました」と置かれた。

泣きたい気持ちで、それでも完食し

いよいよ心身ともに冷え切った。

雨宿りのライダーたちの中で、一番後に来たけど

居たたまれなくて一番最初に立ち上がった。

ずっと同情的な視線で見ていた二人連れのひとりが

「カッパ貸そうか?あとで送ってくれればいいから。」

と聞いてくれた。

でも、なぜか私の口から出たのは

「いいです。濡れたい気分なんです。」

あとから、猛烈に後悔したのは、言うまでもない。

f:id:makimakim:20190318211241j:plain

本文とは関係ないですが蕎麦です